高額療養費制度

高額療養費制度EXPENSE BENEFIT

バイオシミラーの費用と高額療養費制度

ゴリムマブBS皮下注50㎎「F」はバイオシミラー(バイオ後続品)のひとつです。

そもそもバイオ医薬品とは、従来の薬のような化学合成技術ではなく、バイオテクノロジーを利用して製造された医薬品です。遺伝子組み換えや細胞培養技術によって作られたタンパク質を有効成分としています。治療に使われるタンパク質を作るには高度な技術と設備が必要です。

バイオシミラーとは、先行バイオ医薬品の特許が切れた後に、他の製薬会社から発売される医薬品のことを言います。バイオシミラーは、先行バイオ医薬品と品質がほとんど同じで、同じ効果と安全性が確認されています。
そのためバイオシミラーは先行バイオ医薬品に比べると安価(7割程度の価格)ですが、それでも化学合成によって作られた従来の医薬品に比べると、高額になることが多いです。

「高額療養費制度」とは?

バイオシミラーなどを使って、治療でかかった医療費が高額になったときに利用できる「高額療養費制度」をご存じでしょうか?

「高額療養費制度」とは、1ヶ月(その月の1日〜末日まで)の間に医療機関や薬局の窓口で支払った医療費※1の総額が自己負担の上限額を上回った場合に、上回った分の金額が支給される仕組みのことです。同じ月の医療費であれば、複数の受診の窓口支払額を合算することができます。

※1入院時の食費負担や差額ベッド代などは含みません。

高額療養費制度

2026年8月に制度の見直しが行われ、一部の低所得者などを除き、原則として全年齢・すべての所得区分において「月単位の自己負担上限額」が引き上げられました。

一方で、長期間にわたり治療を受けている方の負担が大きくならないよう、新たに「年間上限」が設けられました。
年額上限が導入されたことで、1ヶ月の医療費が自己負担上限額を下回っている場合でも、その年に支払ってきた医療費の総額が年間※2の上限額を上回っていれば、それ以上医療費を負担する必要がなくなります。

※2 この年間とは、8月から翌年7月までの期間を指します。

上限額は年齢や所得(年収)によって、以下のように異なってきます。

患者負担割合及び高額療養費自己負担限度額(令和8年8月~令和9年7月)

70歳未満

所得区分月単位の上限額(円)年単位の上限額(円)
年収約1,160万円~
健保:標報83万円以上
国保:旧ただし書き所得901万円超
270,300+ (医療費-901,000)×1%
(多数回該当 140,100)
1,680,000
年収約770万~約1,160万円
健保:標報53万~79万円
国保:旧ただし書き所得600万~901万円
179,100+ (医療費-597,000)×1%
(多数回該当 93,000)
1,110,000
年収約370万~約770万円
健保:標報28万~50万円
国保:旧ただし書き所得210万~600万円
85,800 + (医療費-286,000)×1%
(多数回該当 44,400)
530,000
~年収約370万円
健保:標報26万円以下
国保:旧ただし書き所得210万円以下
61,500
(多数回該当 44,400)
530,000
(※1)
住民税非課税36,900
(多数回該当 24,600)
290,000

※1 「年収換算 ~約200万円(健保:15万円以下、国保:86万円未満)」区分に該当することが確認できた者は、年間上限41万円を適用し、令和9年8月以降に償還払い。

70歳以上

所得区分月単位の上限額(円)年単位の上限額(円)
外来(個人ごと)
年収約1,160万円~
標報83万円以上/課税所得690万円以上
270,300+(医療費-901,000)×1%
(多数回該当 140,100)
1,680,000
年収約770万~約1,160万円
標報53万~79万円/課税所得380万円以上
179,100+(医療費-597,000)×1%
(多数回該当 93,000)
1,110,000
年収約370万~約770万円
標報28万~50万円/課税所得145万円以上
85,800+(医療費-286,000)×1%
(多数回該当 44,400)
530,000
~年収約370万円
標報26万円以下(※2)/課税所得145万円未満(※2、3)
22,000
(年間上限216,000)
61,500
(多数回該当 44,400)
530,000
(※4)
住民税非課税11,000
(年間上限96,000)
25,700
(多数回該当 24,600)
290,000
住民税非課税(所得が一定以下)8,00015,700
(多数回該当 なし)
180,000

※2 収入の合計額が520万円未満(1人世帯の場合は383万円未満)の場合も含む。

※3 旧ただし書所得の合計額が210万円以下の場合も含む。

※4 「年収換算 ~約200万円(健保:15万円以下、国保・後期:28万円未満)」区分に該当することが確認できた者は、年間上限41万円を適用し、令和9年8月以降に償還払い

出典:厚生労働省「高額療養費制度の見直しについて(令和8年8月診療分から)」https://www.mhlw.go.jp/content/001715427.pdf(最終閲覧日:2026年7月3日)より改変

もっと負担を軽くするには?

さらに、

  • 自分の医療費だけでは上限額を超えなくても、同じ世帯にいる家族の医療費と合わせると上限額を超える(世帯合算)
  • 直近12か月以内に3回以上、上限額に達したうえで、4回目以降の受診をした(多数回該当)

といった場合には、より負担を軽くすることができます。

世帯合算

ご自身の1回分の窓口負担では高額療養費の上限額を超えなかったとしても、同じ世帯内で同じ医療保険に加入している方が受診した際の窓口負担額と1か月単位で合算して上限額を超えた場合は、超えた金額が高額療養費として支給されます。

※ただし、69歳以下の方の受診に関しては、自己負担額が21,000円以上になった場合のみ合算することができます。

例:75歳のAさんとBさんが同じ世帯にいる場合

多数回該当

直近12か月以内に3回以上、医療費が上限額に達している場合は、4回目からは上限額がさらに下がります。この仕組みを「多数回該当」といいます。

多数回該当

どうやって申請するの?

マイナンバーカードを健康保険証として利用している場合

マイナ保険証を利用している(マイナンバーカードの健康保険証利用)方は、事前申請をしていなくても高額療養費制度の対象となります。医療機関や薬局の窓口で、一時的に高額な医療費を自己負担する必要はありません。

マイナンバーカードを健康保険証として利用していない場合

マイナ保険証を利用していない方は、ご自身が加入している公的医療保険に申請して「限度額適用認定証」の交付を受ける必要があります。

この限度額適用認定証を医療機関や薬局の窓口で会計の際に提示することで、一時的に高額な医療費を自己負担することなく高額療養費制度を利用することができます。

また70歳以上の方の場合は、従来までの高齢受給者証に記載されていた負担割合についても、基本的には資格確認書に記載されているため、限度額適用認定証の申請をしなくても資格確認書の提示のみで高額療養費制度を利用することができます。

※ただし、加入されている公的医療保険やお住いの自治体などによっては状況が異なる可能性(例:資格確認書と高齢受給者証の両方が交付されている)があります。気になる点がある方は、ご自身で窓口までご確認ください。

限度額適用認定証の申請方法は、ご自身が加入している公的医療保険によって異なります。具体的な申請方法については、お持ちの保険証や資格確認書に記載されている公的医療保険の窓口にご確認ください。

公的医療保険の例

  • 健康保険組合
  • 協会けんぽの都道府県支部
  • 市町村国保
  • 後期高齢者医療制度
  • 共済組合 など

会計の際に窓口で限度額適用認定証を提示できなかった場合には、後日申請することによって医療費の払い戻しが受けられます。ただし、医療費の支給までは数か月程度(3か月以上)かかるため、医療機関や薬局の窓口で一時的に高額な医療費を自己負担する必要が生じます。

【参考文献】

  • 厚生労働省「バイオ医薬品・バイオシミラーを正しく理解していただくために
    (医療関係者向け)」https://www.mhlw.go.jp/content/001380077.pdf(最終閲覧日:2026年7月3日)
  • 厚生労働省「バイオ医薬品とは?」https://www.mhlw.go.jp/content/001380078.pdf(最終閲覧日:2026年7月3日)
  • 厚生労働省「高額療養費制度を利用される皆さまへ(平成30年8月診療分から)」https://www.mhlw.go.jp/content/000333280.pdf(最終閲覧日:2026年7月3日)
  • 厚生労働省「高額療養費制度について」https://www.mhlw.go.jp/content/12401000/001492935.pdf(最終閲覧日:2026年7月3日)
  • デジタル庁「マイナンバーカードの健康保険証利用|デジタル庁」https://www.digital.go.jp/policies/mynumber/insurance-card(最終閲覧日:2026年7月3日)
  • デジタル庁「資格確認書(マイナ保険証以外の受診方法)|デジタル庁」https://www.digital.go.jp/policies/mynumber/insurance-card/optional-insured-status(最終閲覧日:2026年7月3日)
  • 全国健康保険協会「健康保険限度額適用認定申請書 | 申請書 | 全国健康保険協会」https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g2/cat230/r121/(最終閲覧日:2026年7月3日)
  • デジタル庁公式note「マイナ保険証をまだお持ちでない方も、これまで通り保険診療が受けられます(「資格確認書」の交付、健康保険証の有効期限に関するお知らせ)」https://digital-gov.note.jp/n/n01e3a746f61f#453693e6-1e3d-464a-817e-c495a452b447(最終閲覧日:2026年7月3日)
  • 厚生労働省「高額療養費制度の見直しについて(令和8年8月診療分から)」https://www.mhlw.go.jp/content/001715427.pdf(最終閲覧日:2026年7月3日)
  • 厚生労働省「高額療養費制度を利用される皆さまへ」https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryouhoken/juuyou/kougakuiryou/index.html(最終閲覧日:2026年7月3日)

※本ページに掲載されている高額療養費制度の情報は2026年7月時点のものです。制度は見直しが行われる場合があるため、最新情報については厚生労働省や公的医療保険のホームページ等で確認してください。