高額療養費制度EXPENSE BENEFIT
バイオシミラーの費用と高額療養費制度
ゴリムマブBS皮下注50㎎「F」はバイオシミラー(バイオ後続品)のひとつです。
そもそもバイオ医薬品とは、従来の薬のような化学合成技術ではなく、バイオテクノロジーを利用して製造された医薬品です。遺伝子組み換えや細胞培養技術によって作られたタンパク質を有効成分としています。治療に使われるタンパク質を作るには高度な技術と設備が必要です。
バイオシミラーとは、先行バイオ医薬品の特許が切れた後に、他の製薬会社から発売される医薬品のことを言います。バイオシミラーは、先行バイオ医薬品と品質がほとんど同じで、同じ効果と安全性が確認されています。
そのためバイオシミラーは先行バイオ医薬品に比べると安価(7割程度の価格)ですが、それでも化学合成によって作られた従来の医薬品に比べると、高額になることが多いです。
「高額療養費制度」とは?
バイオシミラーなどを使って、治療でかかった医療費が高額になったときに利用できる「高額療養費制度」をご存じでしょうか?
「高額療養費制度」とは、1ヶ月(その月の1日〜末日まで)の間に医療機関や薬局の窓口で支払った医療費※の総額が自己負担の上限額を上回った場合に、上回った分の金額が支給される仕組みのことです。同じ月の医療費であれば、複数の受診の窓口支払額を合算することができます。
※入院時の食費負担や差額ベッド代などは含みません。

上限額は年齢や所得(年収)によって、以下のように異なってきます。
70歳以上の場合
| 適用区分 | 外来 (個人ごと) | ひと月の上限額 (世帯ごと) | |
|---|---|---|---|
| 現役並み | 年収約1,160万円~ 標報83万円以上/課税所得690万円以上 | 252,600円+(医療費-842,000)×1% | |
| 年収約770万円~約1,160万円 標報53万円以上/課税所得380万円以上 | 167,400円+(医療費-558,000)×1% | ||
| 年収約370万円~約770万円 標報28万円以上/課税所得145万円以上 | 80,100円+(医療費-267,000)×1% | ||
| 一般 | 年収156万~約370万円 標報26万円以下 課税所得145万円未満等 | 18,000円 (年14万4千円) | 57,600円 |
| 住民税 非課税等 | Ⅱ 住民税非課税世帯 | 8,000円 | 24,600円 |
| I 住民税非課税世帯 (年金収入80万円以下など) | 15,000円 | ||
注 1つの医療機関等での自己負担(院外処方代を含みます。)では上限額を超えないときでも、同じ月の別の医療機関等での自己負担を合算することができます。この合算額が上限額を超えれば、高額療養費の支給対象となります。
出典:厚生労働省「高額療養費制度を利用される皆さまへ」https://www.mhlw.go.jp/content/000333279.pdf(最終閲覧日:2026年1月7日)より引用
69歳以下の場合
| 適用区分 | ひと月の上限額(世帯ごと) | |
|---|---|---|
| ア | 年収約1,160万円~ 健保:標報83万円以上 国保:旧ただし書き所得901万円超 | 252,600円+(医療費-842,000)×1% |
| イ | 年収約770~約1,160万円 健保:標報53万~79万円 国保:旧ただし書き所得600万~901万円 | 167,400円+(医療費-558,000)×1% |
| ウ | 年収約370~約770万円 健保:標報28万~50万円 国保:旧ただし書き所得210万~600万円 | 80,100円+(医療費-267,000)×1% |
| エ | ~年収約370万円 健保:標報26万円以下 国保:旧ただし書き所得210万円以下 | 57,600円 |
| オ | 住民税非課税者 | 35,400円 |
注 1つの医療機関等での自己負担(院外処方代を含みます。)では上限額を超えないときでも、同じ月の別の医療機関等での自己負担 (69歳以下の場合は2万1千円以上であることが必要です。) を合算することができます。この合算額が上限額を超えれば、高額療養費の支給対象となります。
出典:厚生労働省「高額療養費制度を利用される皆さまへ」https://www.mhlw.go.jp/content/000333279.pdf(最終閲覧日:2026年1月7日)より引用
もっと負担を軽くするには?
さらに、
- 自分の医療費だけでは上限額を超えなくても、同じ世帯にいる家族の医療費と合わせると上限額を超える(世帯合算)
- 直近12か月以内に3回以上、上限額に達したうえで、4回目以降の受診をした(多数回該当)
といった場合には、より負担を軽くすることができます。
世帯合算
ご自身の1回分の窓口負担では高額療養費の上限額を超えなかったとしても、同じ世帯内で同じ医療保険に加入している方が受診した際の窓口負担額と1か月単位で合算して上限額を超えた場合は、超えた金額が高額療養費として支給されます。
※ただし、69歳以下の方の受診に関しては、自己負担額が21,000円以上になった場合のみ合算することができます。

多数回該当
直近12か月以内に3回以上、医療費が上限額に達している場合は、4回目からは上限額がさらに下がります。この仕組みを「多数回該当」といいます。

どうやって申請するの?
マイナンバーカードを健康保険証として利用している場合
マイナ保険証を利用している(マイナンバーカードの健康保険証利用)方は、事前申請をしていなくても高額療養費制度の対象となります。医療機関や薬局の窓口で、一時的に高額な医療費を自己負担する必要はありません。
マイナンバーカードを健康保険証として利用していない場合
マイナ保険証を利用していない方は、ご自身が加入している公的医療保険に申請して「限度額適用認定証」の交付を受ける必要があります。
この限度額適用認定証を医療機関や薬局の窓口で会計の際に提示することで、一時的に高額な医療費を自己負担することなく高額療養費制度を利用することができます。
また70歳以上の方の場合は、従来までの高齢受給者証に記載されていた負担割合についても、基本的には資格確認書に記載されているため、限度額適用認定証の申請をしなくても資格確認書の提示のみで高額療養費制度を利用することができます。
※ただし、加入されている公的医療保険やお住いの自治体などによっては状況が異なる可能性(例:資格確認書と高齢受給者証の両方が交付されている)があります。気になる点がある方は、ご自身で窓口までご確認ください。
限度額適用認定証の申請方法は、ご自身が加入している公的医療保険によって異なります。具体的な申請方法については、お持ちの保険証や資格確認書に記載されている公的医療保険の窓口にご確認ください。
公的医療保険の例
- 健康保険組合
- 協会けんぽの都道府県支部
- 市町村国保
- 後期高齢者医療制度
- 共済組合 など
会計の際に窓口で限度額適用認定証を提示できなかった場合には、後日申請することによって医療費の払い戻しが受けられます。ただし、医療費の支給までは数か月程度(3か月以上)かかるため、医療機関や薬局の窓口で一時的に高額な医療費を自己負担する必要が生じます。
【参考文献】
- 厚生労働省「バイオ医薬品・バイオシミラーを正しく理解していただくために
(医療関係者向け)」https://www.mhlw.go.jp/content/001380077.pdf(最終閲覧日:2026年1月7日) - 厚生労働省「バイオ医薬品とは?」https://www.mhlw.go.jp/content/001380078.pdf(最終閲覧日:2026年1月7日)
- 厚生労働省「高額療養費制度を利用される皆さまへ」https://www.mhlw.go.jp/content/000333279.pdf(最終閲覧日:2026年1月7日)
- 厚生労働省「高額療養費制度について」https://www.mhlw.go.jp/content/12401000/001492935.pdf(最終閲覧日:2026年1月7日)
- デジタル庁「マイナンバーカードの健康保険証利用|デジタル庁」https://www.digital.go.jp/policies/mynumber/insurance-card(最終閲覧日:2026年1月7日)
- デジタル庁「資格確認書(マイナ保険証以外の受診方法)|デジタル庁」https://www.digital.go.jp/policies/mynumber/insurance-card/optional-insured-status(最終閲覧日:2026年1月7日)
- 全国健康保険協会「健康保険限度額適用認定申請書 | 申請書 | 全国健康保険協会」https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g2/cat230/r121/(最終閲覧日:2026年1月7日)
- デジタル庁公式note「マイナ保険証をまだお持ちでない方も、これまで通り保険診療が受けられます(「資格確認書」の交付、健康保険証の有効期限に関するお知らせ)」https://digital-gov.note.jp/n/n01e3a746f61f#453693e6-1e3d-464a-817e-c495a452b447(最終閲覧日:2026年1月7日)
※本ページに掲載されている高額療養費制度の情報は2026年1月時点のものです。制度は見直しが行われる場合があるため、最新情報については厚生労働省や公的医療保険のホームページ等で確認してください。
